~重度障がい者の一般就労~
就労制度の歴史

日本の障がい者就労に関する制度は、国際的な潮流に合わせ作られてきました。ただ、介助付き就労を支える仕組みは十分とは言えません。

重度身体障がい者の一般就労に関する就労制度の歴史を見てみましょう。

参考文献:「障害者とともに働く」藤井克徳・星川安之著(岩波書店)

  • 身体障害者雇用促進法が成立

    ILO( 国際労働機関:InternationalLabour Organization)勧告を受けて障がい者政策が雇用にも広がったが、効力は限定的

  • 雇用率制度と雇用納付金制度ができる 身体障害者雇用促進法改正)

    雇用率制度

    一定規模以上の事業所(現在は従業員43.5 人以上を雇用)には、全従業員に占める障がい者の割合が法律で決められている(現在、民間企業では2.3% )

    納付金制度

    民間企業で法定雇用率が達成できない場合、1 人不足につき月額5万円を国に納めるペナルティ制度。納付金は、調整金や助成金などのかたちで障がい者雇用に熱心な企業に支給される

    重度身体障がい者(障害者手帳1 級、2 級)は1 人の雇用が2 人分としてカウントできる

  • 身体障害者雇用促進法が、障害者雇用促進法と改称

    対象障がいの拡大と、法定雇用率の引き上げが徐々に進む

  • 国連「障害者の権利に関する条約」採択

    第27 条で「障害のある人々が他者と対等に働く権利」を定める。日本は2014 年批准

  • 障害者権利条約を受け、雇用における差別禁止と合理的配慮が義務化 (障害者雇用促進法改正)

    合理的配慮

    障がい者が直面する社会の障壁を取り除くために、事業者が負担の重すぎない範囲で対応すること

  • 就労支援特別事業ができる

    正式名称は「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」。通勤・勤務中の介助費の大半を国と自治体が負担する


法定雇用率制度における実雇用率のカウント方法
週所定
労働時間
30時間以上 20時間以上
30時間未満
(短時間労働者)
身体障害者 1 0.5
身体障害者(重度) 2 1
知的障害者 1 0.5
知的障害者(重度) 2 1
精神障害者 1 0.5(※)
※例外あり

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