「職場で同僚と一緒に働けない。在宅ワークで家族の介護を受けながらでしか働けないので、その時間家族も拘束されて困っている。」
「介助が必要なので、気軽にトイレに行くことができず、長時間就労が難しい。」
介助が必要な重度身体障害者の、「働くことの困難さ」について問うたときの、生の声です。
当研究チームでは、日常生活において介助が必要な重度身体障害者を対象に、「介助付き就労」の実態調査を実施したところ、64名から回答がありました。
「家で生きるだけならヘルパーを保障し、働いた瞬間に生理現象を自由にできなくなるのはおかしい。」
これはこの調査で聞いた当事者の切実な声です。
多くの当事者が、就労時に水分補給やトイレなどといった生命維持に必要な行動が介助を利用できないことで、就労を制限され、なかには就労自体を諦めている人が多くいることがわかりました。
本調査を通して、重度身体障害者が介助を利用しながら働くことのできる社会をどのように実現できるか、考えていければと思います。
研究代表者 嶋田拓郎
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