介助付き就労学習会レポート

介助付き就労学習会で登壇してきました
~このようなことが仕事でも出来たらいいのに~

2023年9月28日、まだ日差しのきつい暑さが残る日。東京は千代田区平河町にあります、都道府県会館にて開催された「介助付き就労学習会」に行ってきました。

わたしがトヨタ財団のプロジェクトに参加したのは2021年で、新型コロナウイルスが流行っていたこともあり、それから約2年間、メンバーとはオンライン上でしか顔を合わせられませんでした。そしてやっと今回、住む地域が異なるメンバーがはじめて一堂に会し、まずは「やっと会えた!」という喜びに心が弾みました。みんなが実在する人間でよかったです。

今回の学習会は、同プロジェクトの集大成ともいえるイベントで、当事者・介助者・専門家・教育機関・障害者団体・企業・議員・厚労省・報道等の参加者が、現地92名、オンライン124名の計216名参加してくださいました。わたしたち登壇者は、お互いの発表内容を知っているメンバーもいれば、そうでないメンバーもいて、わたし自身もほかの登壇者の発表がとても楽しみにしていました。そして図らずも、メンバー同士が訴えたいテーマ・キーワードとなることが共通しており、メンバーの発表を通して、わたしはさらに希望を抱くことができました。

その共通していたテーマ・キーワードは「生存権」だったように思います。生活に必要な介助は認められるのに、経済活動になるとそれが認められなくなる。わたしたちにとって介助というのは、場面問わず、生命を維持するために必要です。そして、働くことは、生きることと切っても切れない関係にあります。それなのに経済活動には公的な介助制度がつかえないことはおかしい、ということを当事者、研究者、弁護士とそれぞれの立場からいろんな角度で訴えかけることができたことは、とても良かったと思っています。

今回の学習会には、いつもわたしの生活を支えてくれている、わたしの介助に慣れたヘルパーさんが同行してくれました。だからこそ、私の住んでいる大阪から東京まで、新幹線、在来線を乗り継ぎ、ホテルに宿泊し、温かいお風呂に入り、万全の体調で学習会に参加することができました。実際に現地に赴き、対面で人と会い、そこでしか味わえない空気感を存分に味わう。当たり前のことかもしれないですが、とても大切なことです。今回のような経験が、はたらいている場面でも出来たらいいのにと強く感じました。

はたらくことが人生のすべてではありません。そしてはたらいているか否かで、他者がその人の存在価値をはかるのも違います。ですが、障害者のはたらく権利が保障されていないのも違います。はたらくことによって得られる生きがいや楽しみ、大変さ、社会とのつながりなどを障害者から奪うような制度の建付けは間違っていると思います。

同プロジェクトはここで一旦区切りとなります。ですが、わたしたちの活動はこれからも続きます。はたらきたいと思っている障害者のはたらく権利が保障されるまで。次世代の子たちが未来に夢と希望をもって今をまっすぐ生きられるようになるまで。

社会に物申す!